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「純米吟醸 兵四郎」酒蔵レポート

今年も「純米吟醸 兵四郎」のしぼりたての新酒の販売が始まりました。

今日は「純米吟醸 兵四郎」をつくってくださっている福岡県最古の酒蔵

「大賀酒造」の見学をさせていただいた折の様子をレポートいたします!

私が伺ったのは昨年の年も押し迫ったころ。

寒さがしんしんと身にしみる日でした。

酒蔵に足を踏み入れると、とたんに米を蒸した甘い香りが鼻をくすぐります。

この日は酒米を蒸す作業をされていて、冷たい空気にもくもくと真っ白な湯気が立ち上っていました。

蒸した酒米は表面がキラキラと輝いてとても美しい!

少し食べさせていただいたところ、外はカリカリ、中はもっちり。

よく噛むと口の中に甘みが広がります。

これがよい蒸し米である証で、麹菌が中までしっかり食い込むんだそうです。

蒸しあがった米は「オイヤ!!」という威勢のいい掛け声とともに床の上にひっくり返されます。

ここで次の工程である麹菌を付着させるのに最適な温度になるまで冷やします。

適温になった米は室(むろ)へ移動。

部屋は外気とは大きく違い、28度という汗がにじむほどの温かさで

蒸した米を入れたことによってさらに室温は上がります。

麹菌を振る作業は菌をまんべんなく付着させるため、ファンを止め、息を詰め、

できるだけ高いところからサッと一振り。

すると、電灯に照らされた微細な麹菌がゆっくり米の上に舞い降りる。

それは、まるで神事のような神々しさがありました。

酒造りの神聖な儀式のようです。

さらに一振り・・・・そしてまた一振り・・・・。

人の動きでさえ空気が対流して、菌の付着にむらが出てしまうといいます。

使う麹菌は米によって変えており、おいしいご飯を楽しむための食中酒として

出過ぎない酒に適した麹菌を使う心配りをされています。

次に拝見したのは酒を発酵させている樽。

薄暗く、ひんやりした蔵に、大きな大きな樽がいくつもずらっと並んでいました。

発酵の日数や、酒の種類によって香りは違うそうで、

まだ真っ白な酒の表面がぷくぷくと呼吸していて、まるでフルーツのような香りがするものもありました。

この後の圧搾作業はタイミングが難しく、

緩やかにやさしく、ストレスをかけないよう大事にやさしくが大切なんだそうです。

 

酒は工業製品ではありません。

生き物であることが面白いと杜氏は言います。

工場で判をついたようにどんどんできるものではなく、

気候や温度、湿度で左右され、そのときに応じて最善を尽くす。

これは杜氏ならではの経験と勘が物をいいます。

そんな駆け引きがたまらない魅力なのかもしれませんね。