5月24日(火)、今年も弊社が特別協賛をさせていただきました《福岡・天神 薪能》が、無事終了いたしました。
当日は多くの方にご来場いただきましたこと、心よりお礼申し上げます。
意外にもたくさんの若い方々もおられたことに驚きました。
大濠公園能楽堂が開館30周年を迎える今年、能舞台を福岡シンフォニーホールに移し
厳かな幽玄の世界を舞台いっぱいに設えました。
舞台に飾る竹は、弊社の社員で切り出し、会場に持ち込んだものです。
今年の竹は特に立派で、いつもより迫力があり、よりリアルだと主催者の方に言っていただき、
苦労した甲斐があり、とても嬉しく思いました。
福岡シンフォニーホールは大濠公園能楽堂より席数も多く、たくさんの方にご覧いただくことができます。
また、能楽堂では味わうことのできない、階上から、また2階の横からも鑑賞することができるため、
いつもの能鑑賞とは違った楽しみ方もできたのではないでしょうか。
演目は大濠公園能楽堂が開館30周年と、弊社の「だし処 兵四郎」の開店を祝い、
舞囃子「高砂」、狂言「二人袴」、能「石橋(しゃっきょう)」というおめでたいものばかりを選んで演じられました。
とてもありがたく、うれしいことです。
特に「石橋」は通常、演技の派手な後半のみを上演することが多いそうなのですが、
今回は前半も上演し、能の醍醐味である“静と動”を鑑賞することができました。
大鼓、小鼓、太鼓、笛の息もぴったりで、独特の間が自然に流れていく心地よさに
伝統芸能の粋を感じます。
狂言の「二人袴」を演じられた人間国宝の山本東次郎氏。
直接お目にかかるととても穏やかで物腰の柔らかい方でしたが
いざ舞台に上がるとガラリと変わり、ピリッとした雰囲気が張り詰め、
もうすぐ八十歳になられるという年齢を感じさせない見事な舞に、長年培ったいぶし銀の芸術を感じました。
演じられる際の言葉は室町時代の言葉だそうで、若い人や初めての方には多少難しいとは思いますが、
動きで内容を理解することができ、思わず笑いが漏れる場面も。
「堅い」というイメージの能や狂言。
この笑いを昔の人と共有していることに、感激いたしました。
今年も、弊社社長の野見山が火入れをさせていただいたのですが、
ほど良い緊張感の中、堂々と大役を務めることができました。
薪の炎の揺らめき、謡の艶、笛や鼓の響き、まとう装束の煌めき、所作の美しさ、
すべて、今に受け継がれた能の醍醐味です。
弊社といたしましても、この素晴らしい伝統芸能をささやかではございますが
後世に繋げるお手伝いをさせていただけることを大変光栄に思います。