だし素材紀行 vol.2 ~たもぎ茸~

前回ご好評いただきました『だし素材紀行』。兵四郎のだしシリーズに使われているだし素材にスポットを当てて、改めて素材の良さをご紹介する連載です。今回登場するのは「たもぎ茸入きのこの旨みだし」で使用している“たもぎ茸”!少量でも味にコクと旨みをもたらすたもぎ茸は幻のきのことも呼ばれています。その気になる生産方法や、たもぎ茸入きのこの旨みだしを使ったおいしいレシピをぜひご覧ください。

植物性の素材だけで、おいしいだしをつくりたい

「植物性の素材だけで、今までにないおいしいだしをつくりたい」との想いからきのこを使っただしづくりに着手しました。思うような旨みが出ず、あらゆる素材で試すも納得がいかず苦悩していたところ、ようやく幻のきのこといわれる“たもぎ茸”に出会いました。さっそく試したところ、乾燥させた“たもぎ茸”の濃厚な旨みと甘み、そして鼻に抜ける香りに「これなら良いだしができる」と確信しました。

丁寧に育まれた“たもぎ茸”

01 生育は菌床栽培

菌床とはおが屑と栄養体をまぜたもので、一つの菌床でたもぎ茸が約500g収穫できます。ちなみにきくらげは一つの菌床で約1.3kgほど収穫できるので、いかにたもぎ茸の収穫が希少かがわかります。

02 徹底された品質管理

生育の適温である18~25度の温度調整はもちろんのこと、菌床に雑菌が入らないよう毎日床を水で流して清掃し、2~3週間に1回は床の消毒を行い、ハウス内の殺菌も徹底しています。

03 花のように育つたもぎ茸

菌床栽培を行うことで、たもぎ茸ひとつひとつが大きく育つため、旨みや栄養価の高いたもぎ茸が育ちます。見た目はまるで美しい花のようです。たもぎ茸の栽培を行っている熊本県球磨郡あさぎり町は日本一豊かな隠れ里として日本遺産にも指定されています。

生産者との出会い

たもぎ茸の生産者・川谷さん(写真左)は、闘病中のお父さんのために薬に頼るのではなく、毎日の食事で改善できる食品はないかと探していたところ、サプリメントの原料になるほど栄養のある“たもぎ茸”に出会い、栽培を決心しました。幾多の苦労を乗り越え、今ではフランス料理や料亭で認められるほど品質が高く、美しい“たもぎ茸”を栽培されています。私たちは川谷さんの情熱と行動力、そして人柄に動かされ、「ぜひこの人がつくった“たもぎ茸”を使いたい」と思うようになりました。

幻のきのこと呼ばれる所以は?!

濃厚な旨みのたもぎ茸は、北海道と東北の一部しか自生せず、初夏だけに姿を現すことから「幻のきのこ」と呼ばれるようになったそうです。近年菌床栽培ができるようになったものの栽培が難しく、あまり流通していない希少なきのこです。「たもぎ茸は、高い抗酸化作用が期待される“エルゴチオネイン”や免疫力を活性化させるといわれる“βグルカン”が含まれることから、研究が進められているほどすごい食材なのです」と生産者の川谷さんは言います。

たもぎ茸入きのこの旨みだしを使った秋のおすすめレシピ

◇野菜のオイル煮

【材料】2~3人分

白ねぎ・・・2本
エリンギ・・・2本
れんこん・・・150g
にんにく・・・1片
たもぎ茸入きのこの旨みだし・・・1袋
オリーブオイル・・・大さじ2
酒・・・大さじ1

【作り方】

1.白ねぎは4㎝長さに、エリンギは2㎝長さの薄切りに、れんこんは小さめの乱切りにする。にんにくは薄切りにする。

2.鍋にねぎ、にんにく、れんこん、エリンギの順に重ね入れ、酒とオリーブオイルを回しかける。きのこの旨みだしを破り入れた後、蓋をして中火で5分ほど蒸し煮にする。

3.火を止めざっくりと混ぜ合わせる。

◇きのこのポタージュ

【材料】2人分

じゃがいも・・・1個
玉ねぎ・・・1/2個
バター・・・5g
たもぎ茸入きのこの旨みだし・・・1袋
水・・・200㏄
牛乳・・・100㏄

【作り方】

1.じゃがいもは1.5㎝角に、玉ねぎは薄切りにする。

2.鍋にバターと玉ねぎを入れて色がつくまで炒めたらじゃがいもと水を加え、きのこだしを破り入れて煮る。

3.食材がやわらかくなったら火を止めて冷まし、ミキサーにかける。

4.3を鍋に戻して牛乳を加え、沸騰する直前に火を止める。

○編集後記

たもぎ茸入きのこの旨みだしは、発売を開始して今年で3年目の商品です。まだ年数は浅いですが、多数のお客様よりご愛顧をいただいており、「いつもの味噌汁がさらにおいしくなった」や、「あごだしと同じくらい旨みを感じる」といった嬉しいお声を頂戴しています。あごの旨みとたもぎ茸の旨みをぜひ比べてみてください!

野菜のオイル煮で使用

きのこのポタージュで使用