アス飯著者・山瀬理恵子先生がお届けする【骨を強化するレシピ】

今年もいよいよ兵四郎米の収穫時期を迎え、皆様においしいお米をお届けできるよう着々と準備が進められています。今回はプロアスリートを食事の面からサポートする、アスリートフードマイスター・山瀬理恵子先生によるお米を使った「骨強化レシピ」と「脳を活性化するレシピ」をお届けいたします。
『お米は日本が世界に誇る和食の要。人間の生命活動に欠かすことの出来ない重要な食材であり、伝統行事や日本文化継承にも密接する支柱的な存在です』と理恵子先生。お米の糖質は体を動かすためだけでなく、脳のエネルギー源にもなる優れもの。楽しく、驚きのある白米を使ったオリジナルレシピを、理恵子先生に考案していただきました。

小松菜ときくらげの炒め物

【材料】2人分

鶏むねひき肉・・・100g
小松菜・・・50g
きくらげ・・・10g
油揚げ(小揚げ)・・・2枚
あご入素材だし・・・1袋
塩・・・少々
油・・・適量
パルメザンチーズ・・・適量
焼のりばら干海風薫・・・適量

【作り方】

1.フライパンに油を熱し、細切りにした油揚げを入れて表面がカリッとしてきたら、鶏肉、水に戻して一口大に切ったきくらげ、素材だしを入れ、ヘラで切るように炒める。

2.肉の色が変わってきたら、5センチ幅に切った小松菜を入れてさっと炒め、チーズ、ばら干、塩を加えて混ぜる。

『カルシウムはマグネシウムとセットで摂取』

鶏むねひき肉は骨の土台となるタンパク質が豊富で低カロリー。細かい形状になっていることから、より消化が良い食材です。油揚げにもタンパク質、イソフラボンなどが豊富。きくらげにはカルシウムの吸収を高めるビタミンDが含まれ、このビタミンDの力を発揮させるために、焼きのりばら干や、体に吸収されやすいパルメザンチーズに含まれるカルシウムやマグネシウムを一緒に摂ることが重要です。カルシウムをコントロールしているのはマグネシウム。マグネシウム+ビタミンDと、カルシウム+マグネシウムのように必ずセットで摂取することを意識しましょう。

『骨に必要な栄養素が詰まった“あご入素材だし”』

小松菜はカルシウムやマグネシウムがふんだんに含まれているだけでなく、体内のカルシウムが排出されることを防ぐミネラルのカリウムも豊富。あご入素材だしには、焼きあご、かつお節、昆布、さば節、いわし煮干しなどが含まれ、骨に必要な栄養素が凝縮する金メダル級の骨密度アップ食材です。

『注目すべきはマグネシウム』

タンパク質は骨や筋肉、血液など体の組織を作り、また神経の大元でもあります。タンパク質が足りていなければ、いくらカルシウムを摂ったところで強度は不十分。タンパク質の吸収率を上げるビタミンCも必ず一緒に摂取しましょう。また、カルシウムを絶対的に支えてくれるのが、近年大注目の栄養素「マグネシウム」。マグネシウムが不足するとカルシウムだけでなく、ミネラル全体がアンバランスに。サッカーで例えるなら司令塔的な役割を担っており、マグネシウムを補給して初めてミネラル全体のバランスが整います。さらに、カルシウムの吸収を高めてくれるのはビタミンD。ビタミンDが補給されるとマグネシウムの排出が促進されるため、ビタミンDを摂取する時には必ず、マグネシウムの摂取も必要です。

*マグネシウムの作用*

体内のマグネシウムは60〜65%が骨や歯に含まれており、カルシウムがうまく取り込まれるように調節してくれる作用があります。不足すると骨に蓄積されたカルシウムを流出させてしまうことも。骨粗鬆症、情緒不安定による神経疾患、筋収縮の異常による筋肉のけいれん、血栓のリスクが高まる高血圧、心筋梗塞といった様々な弊害を及ぼす可能性があるといわれています。マグネシウムは海苔、昆布、ワカメ、ゴマ、あさり、納豆などの大豆製品、アーモンドなどのナッツ類、カレー粉、パクチー、雑穀、パルメザンチーズ、桜えびなどに豊富です。

カルシウム

カルシウムは骨や筋肉の収縮だけでなく、瞬発力にも関わるアス飯的にも大切な栄養素。

*こんな食材に含まれます*
パルメザンチーズ、さけ中骨缶、さば缶など

ビタミンD

カルシウムの吸収を高めます。

*こんな食材に含まれます*
イワシ、サンマなど

ビタミンK

血液に取り込まれたカルシウムが骨になるのを助けます。骨の強化、骨密度をアップ。

*こんな食材に含まれます*
スプラウト、小松菜、春菊、モロヘイヤ、納豆、ブロッコリー、しそなど

タンパク質

タンパク質は骨の土台となります。

*こんな食材に含まれます*
鶏のささみ、パルメザンチーズ、油揚げや豆腐などの大豆製品など

イソフラボン

体内で*エストロゲンのような働きをしてくれます。骨からカルシウムが流出しやすい時期、特に更年期にオススメな栄養素。

*女性ホルモンの一種

*こんな食材に含まれます*
きな粉、高野豆腐、豆乳、醤油など

カリウム

体内のカルシウムが排出されることを防ぐことで注目されている栄養素。ナトリウムの排出を促し、全身の筋肉を正常に働かせたり、高血圧対策にも。

*こんな食材に含まれます*
アボカドやバナナなどの果物、海苔など

亜鉛

新陳代謝を高めて健康の土台を作ります。体内の酵素成分としてマルチに力を発揮。傷の修復、骨の強化など。

*こんな食材に含まれます*

小松菜ときくらげの炒め物で使用

アス飯料理研究家

山瀬理恵子(やませ・りえこ)

小学校教諭を経てサッカー元日本代表・現アビスパ福岡所属の山瀬功治と結婚。京都新聞朝刊にて3年間のスポーツ栄養レシピ・コラム連載を書籍化した著書「アス飯レシピ」を京都新聞出版より2017年8月に発売。アビスパ福岡アカデミーをはじめ、小・中・高などの各教育機関及び企業にて栄養講演、調理実習を開催。食育インストラクターや野菜ソムリエ、アスリートフードマイスターにアロマテラピーインストラクターなど豊富な資格を持ち、様々な分野で活躍中。

資格・経歴などプロフィール詳細はオフィシャルサイトへ