おうちで薬膳 vol.2 ~ふき~

薬膳とは、大きく分けると生薬を用いるものと、日常にある食材を使うものがあります。生薬は治療を目的としていますが、普段の食材は日々の元気づくりを目的としています。「おうちで薬膳」とは、旬や食材の性格を知り、自身の体の状態を知ることからはじめる、誰でもご家庭で続けることのできるもの。極意は季節を楽しみ、食を楽しむこと!食べることは幸せを生み出し、命を営む大切な行為です。自分や大切な人の元気づくりの知恵。それが薬膳なのです。

ふきパワー!

日本料理で「春に苦味を盛れ」という言葉があるように、ふきは春に欠かせない食材の一つです。ふきの苦味成分にはからだの酸化を予防するポリフェノール類が多く含まれ、血の巡りを良くし、肩こり、ニキビやくすみなどの肌トラブルに役立ちます。また、ふきは食物繊維が豊富で、冬に溜め込んだ腸の老廃物を排出する働きもあるため、春にぜひ摂りいれたい食材です。食べ過ぎると肌や肝機能にトラブルを起こすことがありますのでご注意ください。

ふきmemo

*からだが喜ぶ食べ合わせ

ふき(むくみ解消に)ふき+あさり
    (肩こり解消に)ふき+しょうが

ふきのとう(美肌に)ふき+味噌
       (血をきれいに)ふき+酢

*選び方

ふき・・・全体に張りがあり、ピンとしているものを選びましょう。葉柄がしなり過ぎるものは鮮度が落ちています。

ふきのとう・・・開花前のつぼみで黒ずみや変色がなく、乾燥していないものを選びましょう。

*上手な保存方法

ふき・・・鮮度が落ちやすいので、購入した日に下ごしらえしましょう。茹でたものは、水(または塩水)を張った保存容器に入れて冷蔵庫で保存。毎日水をかえ、2~3日を目安に使い切りましょう。

ふきのとう・・・鮮度が落ちやすいので、出来るだけ収穫したその日に食べましょう。冷蔵保存する際は、湿らせた新聞紙で包んで1~2日で食べきりましょう。

*ふきの下ごしらえ

①ふきは鍋に入る長さに切り、沸騰した湯に入れて茹で、やわらかくなったら冷水にとって冷ます。

②包丁の根元または手の爪で根元から上に向かって筋をとる。
※食感を残したい場合は硬めに茹でてください。

ふきちらし

[材料]3~4人分 (1人分461kcal)
米・・・・・2合
ふき・・・・・40g
にんじん・・・・・30g
うす揚げ・・・・・20g
でんぶ・・・・・適量
ふき(飾り用)・・・・・適量
【A】
割烹がえし・・・・・大さじ2
水・・・・・大さじ5
【B】
兵四郎のあわせ酢・・・・・40cc
兵四郎のよね酢・・・・・20cc
【C】
卵・・・・・4個
だし(あご入兵四郎だし1袋を500ccの水で煮出したもの)・・・・・小さじ2

[作り方]
1.米は硬めに炊いておく。

2.ふきは下ごしらえ後、5mmほどの小口切りに、飾り用は斜め薄切りにする。にんじん、うす揚げは細切りにする。

3.鍋に【A】と2の飾り用のふき以外の材料を入れ、汁気がなくなるまで煮る。

4.炊きたてのご飯をボウルなどに移し、混ぜ合わせた【B】をまんべんなく振り入れ、しゃもじで切るように混ぜる。さらに3を加えて混ぜ合わせ、うちわで風を当てて冷ます。

5.薄く油(分量外)をひき、熱したフライパンに混ぜ合わせた【C】を流し入れ、弱火でやわらかいそぼろにする。

6.4を器に盛り、卵、でんぶ、ふきを飾る。

ふきとあさりの翡翠煮(ひすいに)

[材料]  (1人分 176kcal)
ふき・・・・・200g
あさり(殻つき)・・・・・400g
酒・・・・・大さじ2
しょうが・・・・・5g
【A】
あご入素材だし・・・・・1袋
水・・・・・300cc
                          

[作り方]
1.ふきは下ごしらえ後、4cm長さに切る。しょうがは千切りにする。

2.鍋に砂抜きしたあさりと酒を入れ、ふたをし、殻が開くまで強火で加熱する。粗熱が取れたら身を取り出す。煮汁は捨てずに取っておく。

3.鍋に【A】を入れ、2~3分煮出す。

4.3にふきの太い部分とあさりの煮汁、しょうがを入れて、2分ほど煮て、残りのふきとあさりを入れ、再び沸騰したら1分ほど煮て火を止める。

春は気候的には穏やかですが、冬の名残で抵抗力が落ち、体調を崩すこともあります。また、気温の変化に応じて、こころのバランスも乱れがち・・・。まずはからだのだるさを改善してみましょう!

中村忠和 先生

薬膳に関するセミナーや料理教室など、幅広く活躍中。食がさらに楽しく元気になる方法をお伝えしています。只今、新店オープンに向け準備中。